木造住宅のメリット・デメリットとは?構造の種類や耐用年数などのお役立ち情報を紹介
木造住宅にはいろいろな種類があり、それぞれ特徴が異なることからその内容を充分理解した上で比較検討を行うことが大切です。従来は木造住宅は木材のみを使用してその性質を効果的に活用するものとなっていました。しかし近年ではこれに加え様々な自然災害から生活を守るために必要な要素を満足することがポイントとなっており、そのために様々な情報がインターネット上で公開されるものとなっています。 その中で最も自分が重要視するポイントを見つけることで、これを基準にいろいろな会社を比較し、最適なものを選ぶことが効果的です。
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木造住宅のメリット・デメリットとは?構造の種類や耐用年数などのお役立ち情報を紹介
- 鉄骨造住宅と比べて設計の自由度が高い木造住宅
- 木造住宅の造り方には2種類の工法がある
- 古くから多くの木造住宅で採用されてきた在来工法
- 日本の気候に適した住まいを建てやすい木造住宅の在来工法
- 木造住宅の在来工法は通気性を確保しやすい
- 木造住宅の耐久性はハウスメーカーによって差が出る
- 木造住宅は接合金物の強度によって耐久性が変わる
- 木造住宅の床構造は住まいの快適性に影響する
- 在来工法の木造住宅はリフォームを実施しやすい
- 在来工法の木造住宅は施工業者の選択肢が多い
- 木造住宅の一般的な基礎構造はベタ基礎
- 木造住宅で知っておきたい構造計算とは?
- 木造住宅は暑さや寒さ対策がしやすい?
- 調湿効果で乾燥を防止できる木造住宅
鉄骨造住宅と比べて設計の自由度が高い木造住宅
木造住宅は、鉄骨造住宅と比べて設計の自由度が高いと言われます。その理由は、木造住宅の多くが木造軸組工法を採用している点にあります。この工法では柱や梁の位置を自由に決めることができるため、間取りやデザインの幅が広がります。例えば大きな吹き抜けを設計したり、スキップフロアやロフトを設置する、断熱性や気密性に優れた省エネ性の高い住まいを建てるなど、鉄骨造住宅では難しい間取りも実現が可能になります。また変形地や狭小地など、難しい条件の土地であっても、木造軸組工法なら柔軟に対応することが可能になります。このような木造軸組工法による木造住宅に対しては、高いニーズが認められます。例えば家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、住まいを自由にカスタマイズしたい、個性的でオリジナリティあふれる住まいを実現したい、土地の形状や条件に合わせて、最適な間取りやデザインを希望するなど、このようなニーズは決して少なくありません。
木造住宅の造り方には2種類の工法がある
木造住宅の工法には、大きく分けて木造軸組法と木造枠組壁法(ツーバイフォー)の2種類があります。このうち、木造軸組法は日本古来の木造住宅のもので、柱や梁、筋交いなどを組み合わせて空間を構成する手法です。柱や梁の位置を自由に決められるため、間取りやデザインの自由度が高く、狭小地や変形地にも対応しやすいという特徴があります。また、増築やリフォームにも向いているのですが、柱や梁の配置によっては耐震性や防火性が低くなる可能性があるという点に注意しなければなりません。一方の木造枠組壁法は欧米から輸入された工法で、木製パネルと角材で壁や床、天井という面を作り、その面を組み立てて家を建てるやり方です。面で構造物を支えるため、耐震性や防火性が高く、施工も簡単でムラが少ないです。加えて、断熱性や気密性も高いため、省エネルギーにも優れているのですが、面のサイズが決まっていることから間取りやデザインの自由度が低く、増築やリフォームには不向きとなっています。
古くから多くの木造住宅で採用されてきた在来工法
木造住宅に現在も採用されている在来工法は、海外では石器時代、日本国内では縄文時代ごろに伝来したと言われており、世界各国の遺跡から同じ作りの建物の一部が見つかっています。数千年もの時を経ても一部とは言え形が残されていると言うことは、それだけ優れた堅牢性を保っていたことを表わしていました。そんな在来工法は時代と共にアレンジが繰り返されながら、現代の木造住宅にも多く採用されています。四角い外枠の基礎を作ったところに支柱を立て、対角線上に補強する柱を入れることであらゆる角度からの圧力に耐えることができます。この工法が生まれた頃からその強度を活かし、2階以上の建物が増えています。耐震性も比較的高く、現在の耐震基準が策定される前に建築された建物よりも、古い木造住宅の方が高い堅牢性を持っているのには、この在来工法の存在があります。後に再評価されたことから、公共施設から一般住宅まで様々なシーンで利用され、安心安全に役立っています。
日本の気候に適した住まいを建てやすい木造住宅の在来工法
木造軸組工法は在来工法とも呼ばれ、日本の木造建築で最も多く採用されてきた、伝統的な工法で知られます。地面から垂直に立てた柱と、そこに水平に渡した梁で骨組みを作り、筋交いなどで補強して建物を支えていくのが、この工法の仕組み。柱や梁の位置を自由に決められることができるので、間取りやデザインの自由度が高く、日本の気候や風土に適した木造住宅を実現しやすいと言えます。また木材の特性を生かした工法としても知られ、熱伝導率が低い木材を多用することによって、夏は涼しく、冬は暖かく保つことが可能です。同時に木材は調湿効果にも優れているため、湿度が高くなりがちな日本の気候にも適しています。耐震性に優れていることも、在来工法による木造住宅の強みです。柱や梁で建物を支える構造に加え、その間を筋交いで補強しているため、地震の揺れに強いという特徴があります。まさに地震が多いことで知られる日本で培われてきた、独自の工法と言えるでしょう。
木造住宅の在来工法は通気性を確保しやすい
いわゆる在来工法と呼ばれる木造軸組工法で木造住宅には、幾つものメリットがあることで知られます。例えば通気性に優れていることもその1つでしょう。柱と梁で建物を支える在来工法では、壁や天井の構造がシンプルになる傾向があります。すなわち壁部分は、柱と梁の間に板をはめ込むだけの構造であるため、空気の流れが妨げられることがありません。また天井部分も梁と梁の間に下地材を張り、その上に仕上げ材を貼るだけの構造であるため、通気性を確保することが可能になります。窓や換気口の設置が容易なことも、在来工法の木造住宅が風通しに優れる理由と言えます。これは壁や天井の構造がシンプルなので、窓や換気口の位置や大きさを自由に決めることができるから。同時に窓や換気口のタイプの選択肢も広がるため、あえて換気量に優れたタイプを選ぶことも可能になります。さらに耐力壁が少ないことも、優れた風通しを実現できる理由で忘れてはならないでしょう。在来工法では耐力壁が少ないため、開口部を大きく取ることができます。その結果、室内と外気の空気の流れが活発になり、風通しに優れた住まいの実現につながります。
木造住宅の耐久性はハウスメーカーによって差が出る
木造住宅は、ハウスメーカーによって採用している工法が異なります。独自の耐震構造を採用しているところもあり、どこを選ぶかで耐久性は変わってきます。そのため、長く安心して住める家を購入したいなら、導入されている工法を比較して、より信頼性が高いと思えるハウスメーカーを選ぶのが良いです。各社とも、この点はアピールポイントになるため、素人にもわかりやすいように、パンフレットや公式ホームページ党で説明しています。また、営業所やモデルハウスなどの無料相談においても、担当者が説明しています。分からないことは直接聞いた方が疑問点が解消されるので、自分で見られる情報のみから判断するのではなく、直接話してみるのもおすすめです。 木造住宅に強いハウスメーカーはいくつかあるので、比較しながら決めると良いでしょう。一社のみでは善し悪しが分かりにくくても比較をすれば比較対象がある分、どっちが良さそうか判断しやすくなります。
木造住宅は接合金物の強度によって耐久性が変わる
日本では木造住宅の多くが、いわゆる在来工法と呼ばれる木造軸組工法を採用しています。この工法では柱や梁などの木材それぞれを、釘や金物で接合して組み立てるため、接合金物の強度しだいで住宅の耐久性が大きく左右されると言えます。特に在来工法の木造住宅では木材の特性である柔軟性を活用し、地震などの揺れに耐える構造が一般的。このため接合金物の強度が低い場合には、接合部にかかる力が負担となって、そこに変形や破損を引き起こすだけでなく、住宅全体の耐久性も低下して、地震などの災害時には倒壊などの被害リスクが高まってしまいます。一口に接合金物といっても、釘やビスなどの伝統的なタイプから、鋼板や鋳鉄などの金属まで、幅広く多種多様なタイプがあります。この点、鋼板や鋳鉄などの金属でできたタイプは、伝統的な金物よりも強さや耐久性に優れているのが、大きな特徴です。したがって耐震性の高い木造住宅を希望するならば、これらのタイプを積極的に活用することが求められます。
木造住宅の床構造は住まいの快適性に影響する
これから木造住宅を建てるならば、床構造についてもしっかり理解しておくことが求められます。なぜなら、この部分こそ木造住宅の快適性に影響を及ぼすから。まず最もオーソドックスな床構造には、根太床があります。これは床下空間を設けて、根太と呼ばれる梁を土台や柱に渡し、その上にフローリングや畳などの仕上げ材を敷くのが通常の仕組みです。施工が容易でコストも比較的安価なことに加え、耐久性や断熱性さらに遮音性まで高いことが大きなメリットです。その反面、床下空間の掃除やメンテナンスが必要になるため、維持するための手間や費用がかかる傾向があります。このデメリットをカバーできるのが、スラブ床と言えるでしょう。これは床下空間を設けず、土台や柱から直接フローリングや畳などの仕上げ材を敷く構造。床下空間がないため、床下空間の掃除やメンテナンスが不要なのが大きなメリットです。他方で、施工が複雑でコストが比較的高価になりがちな上、耐久性がやや劣ってしまうのが弱点と言えます。
在来工法の木造住宅はリフォームを実施しやすい
木造住宅には、リフォームを実施しやすいなど様々なメリットがあります。 施工が容易でコストが抑えられる木造住宅は、吸湿性や断熱性が高く地震にも強いです。 木造住宅の代表的な工法が在来工法で、柱や筋交いなどを一本ずつ組み上げます。 デザインや間取りを変更しやすい特徴があり、リフォームに向いています。 柱などの構造材が木材なので、簡単に組み合えや解体を行えます。 床や壁なども簡単に交換できますが、リフォームを実施する際はプロに相談します。 キッチンや浴室など水まわりのリフォームや間取りの変更により、快適に過ごせる住宅を実現できます。 木造の住宅はコンクリートや鉄など他の構造材よりも安価なので、建築費用を抑えられます。 重量も軽いので、基礎工事を行う際も鉄やコンクリートに比べて費用が安くなります。 木材は湿気を吸収して放出する性質を持っているので、夏は涼しくて冬な暖かいです。 木材の風合いを生かして、ナチュラルな雰囲気の優しい住宅にリフォームできます。
在来工法の木造住宅は施工業者の選択肢が多い
在来工法は木造軸組工法とも呼ばれ、これは木造住宅では最もオーソドックスな工法であり、施工業者が多い傾向があります。
そのため木造住宅を希望する方にとっては、幅広い選択肢の中から理想の業者を選べるメリットがあると言えます。
このような傾向になった理由としては、まず在来工法の歴史が長いことが挙げられます。
すなわち日本において古くから伝わる伝統的な木造建築工法なので、施工技術やノウハウが確立されており、多くの施工業者が参入しているため。
また建築コストが比較的抑えられることも、大きな理由として考えられます。
在来工法では部材を現場で組み上げるため、プレハブやツーバイフォーなどの工法のように部材を工場で製造する手間やコストがかからないことで、建築コストを安く済ませることが可能です。
さらに忘れてはならないのが、設計の自由度が高いことでしょう。
基礎や柱あるいは梁などの構造部分を現場で組み上げるため、間取りやデザインの自由度が高く、施主の要望に合わせた住宅を建てることができます。
特にフルオーダーの注文住宅ではその強みが発揮されるため、ニーズの高さから必然的にこの工法を採用する業者も多くなると言えます。
木造住宅の一般的な基礎構造はベタ基礎
木造住宅の基礎構造について考えると、一般的な選択肢の一つはベタ基礎です。
ベタ基礎は、建物の重量を均等に分散させるためにコンクリートで作られた平らな基礎のことを指します。
この基礎構造は安定性と耐久性に優れており、多くの建物で使用されています。
費用を考えると、ベタ基礎は比較的コストが低いと言えます。
建設の初期段階での費用が抑えられ、建物全体の予算にもやさしい要素となります。
ただし地盤条件や建物の設計によって費用は変動するものです。
複雑な地盤状況や大きな建物の場合は、追加の補強やコストがかかることがあります。
人気はベタ基礎はその安定性と信頼性から一般的に好まれています。
特に新築住宅の建設において、多くの建築家やハウスメーカーがベタ基礎を選択します。
ベタ基礎は地域によっても異なり、地元の建築慣習や気候条件に合わせて採用されることがあるのです。
まとめるなら木造住宅の基礎構造としてのベタ基礎は普通で、安定性とコスト効率に優れています。
ただし、具体的な費用は建設プロジェクトの特性に依存し地域や地盤条件によっても異なります。
そのため、建築プロジェクトの要件と予算に合わせて基礎構造を選択することが重要です。
木造住宅で知っておきたい構造計算とは?
木造住宅に関する法律や構造の考えについて知識を持っておくことは、建物の安全性や法的な問題を避けるために非常に重要です。
まず木造住宅に関連する法律として建築基準法があります。
建築基準法は建物の設計・建設・使用に関する規制を定めており建築物の耐震性や防火性、環境への配慮などが規定されています。
建築基準法に基づいて、建築許可や検査が行われ、安全性を確保するための法的枠組みを提供しているのです。
建物の改装や増築にも関連する法的手続きがあり、これらを適切に行わないと法的なトラブルが生じる可能性があります。
木造住宅の場合、地震などの自然災害に対する耐震性が特に重要です。
この計算では建物の材料や構造、地盤の特性などを考慮して建物が地震に耐えられるかどうかを評価します。
耐震性の評価に基づいて、必要に応じて補強工事や改修が行われることがあります。
さらに木造住宅の場合、建築物の法的な規制だけでなく建材の選定や施工の品質も重要です。
建材の品質や施工の質が不良だと建物の寿命が短くなったり、安全性に問題が生じる可能性があるのです。
そのため信頼性の高い建材を選び、専門的な建築業者に依頼することが大切です。
木造住宅は暑さや寒さ対策がしやすい?
木造住宅は温度調節の面で非常に優れており、熱伝導率が低くて断熱性が高いために外気の影響を受けにくくなっています。
その結果、夏は涼しく過ごすことができますし、冬は暖かく快適な室温を保つことができます。
本来温度調節機能が優れているはずの木造住宅で冬場に寒いと感じることがあるのは、窓から隙間風が入ってくるためだと言われており、その隙間を防ぐことで簡単に対策することが可能です。
窓の種類を変えたり、位置を調節することでも対策ができますので、設計の段階でどのような環境になるのかを考えながら決めることが大切です。
冷気はその空間の下の方に集まることから、足元の冷たさを解消するのも良いかもしれません。
最初から床暖房を入れてしまえばそういった心配はありませんが、入っていない場合でもラグを活用したりジョイントマットを敷くことで冷気を遮断できます。
暖房器具も適切に使い、暖かい空気が循環するような家にすると快適に過ごせます。
調湿効果で乾燥を防止できる木造住宅
木造住宅は自然素材で建てられた美しい住まいです。
しかし木材は湿度の変化に敏感であり、割れやひび割れの原因となります。
そこで調湿効果が優れている木造住宅は快適な居住環境を提供します。
木材の吸湿放湿性能に優れています。
特に杉やヒノキなどの耐久性のある木材を使用すると、湿度の変化に対して強い耐性を持ちます。
これにより室内の湿度を一定に保ち、乾燥を防ぐ役割を果たします。
季節や天候の変化に左右されず、木造住宅は快適な居住空間を提供します。
自然通風や断熱効果があり室内の湿度を調整するのに役立ちます。
外気を取り入れることで室内の新鮮な空気が維持され、湿度が均一に保たれます。
断熱性能にも優れており、室内の温度を一定に保つため、湿度の変化が抑制されます。
調湿効果のある木造住宅は、健康面でも利点があります。
湿度が適切に保たれることで乾燥による肌のかゆみやのどの渇きを軽減し、快適な生活をサポートします。
自然素材を使用しているため、化学物質からの影響を最小限に抑え、アレルギーなどの健康問題を軽減する助けにもなります。
環境にもやさしい選択です。
木材は再生可能な資源であり建設過程でのエネルギー消費が少ないため、持続可能な住まいとして注目されています。
長寿命な住まいとして地球環境への負荷を軽減します。